【秋色庵 大坂家】
◆江戸の孝行娘◆
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お秋は幼い頃から俳句を学んでおり、「秋色」という俳号をいただいておりました。そして13歳のとき、上野の清水観音堂で詠んだ「井の端の 桜あぶなし 酒の酔」が輪王寺門跡の公寛法親王の目にとまり、謁見の栄誉を受けます。このことでお秋は一躍、時の人となるのですが、さらに彼女の名を高めたのが、その親孝行ぶりです。
安藤信友の屋敷に招かれた日の帰路、冷たい雨が降り始めると、お秋は下賜されていた籠を降りて父を乗せ、粗末な笠と紙合羽姿で歩いて帰ったのです。これがあっという間に江戸中のうわさとなり、国芳ら人気絵師たちがその情景を錦絵に描くまでなったのです。
さて、一躍有名人となり、籠を賜わるほどの栄誉も受け、さらには孝行の鏡とまで言われることとなった少女は、その後、どんな気持で過ごしたのでしょうか。戸惑うことも多かったのではないかと、ちょっと不憫になることもあるのです。
秋色最中
秋色庵 大坂家
●港区三田3-1-9
(JR田町駅、地下鉄三田駅から徒歩5分)
●03(3451)7465
秋色庵 大坂家
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