【第四回目】
榛原:書きやすい便箋、もらって嬉しいはがき。
メール全盛の世の中、便箋やはがきでお便りを書くことがめっきり少なくなった気がします。悪筆の私などは正直ホッとしているというところもあるんですが、でも、大切な方へのお礼やお詫びの手紙をワープロ文字でというわけにはいきませんし、ひとこと自筆を添えたいという時もありますよね。そんな時、頼りになるのが日本橋“榛原”製の便箋やはがきです。
榛原は、文化3年(1806)の創業。のれんに「雁皮紙」の文字があるように、江戸庶民に最初に雁皮紙を売り出したのが始まりで、以来今日まで、ずっと和紙を扱ってきたお店です。
店内には和紙や千代紙がずらり。和紙を使った小物や豪華な水引、奉書、のし袋などもたくさん並んでいます。でも、今日は便箋売り場へ直行していただきましょう。
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このとっておきの便箋は、一見、一筆箋。でも、これが1枚1枚に分かれたものでなく、ずーっと蛇腹式につながっているんです。
「ひとこと書くだけだから」と一筆箋を使ったのに、1枚におさまらなくて……なんてことはないですか? (私なんて、しょっちゅうです)。そんな時も、これなら大丈夫。好きなところで切って使えばいいので、紙の余白を考えずに書いていくことができます。おまけに、たたむと小ぢんまりと愛らしくて……。送った人から「あの便箋はどこで売ってるの?」と聞かれることもしょっちゅう。
淡い色の罫線はシンプルですが、どこか和の趣があってやさしげですし、一方でキリッとモダンな印象も。お値段もリーズナブルで、罫線の色は淡いオレンジとブルーの2種類があります。
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はがきもご紹介しておきましょうね。こちらも、和紙の風合いを生かした、罫線だけが入ったデザイン。表書きの切手を貼るところには榛原ならではの遊びもあって、私なんていつも「ここに切手を貼るのはもったいない」と思っちゃいます。
そうそう。便箋や封筒に、名入れ印刷を頼むこともできるんです。私も、いつか榛原のオリジナル便箋を作ろうと思っているんですよ。
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