<豊島屋本店>パリで「日本酒とグラス」のワークショップ
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 2024年7月26日~8月1日の7日間、オリンピックに沸くパリの街で開催された東京都主催の「東京夏祭」に招聘され、展示とワークショップをしてきました。

 『東京夏祭』は、パリ11区の公共文化施設「メゾン・デ・メタロ」を会場に、「伝統と最先端が共存する東京」の魅力を発信しようというイベントです。東京の食・工芸関連の11社が出展したほか、和太鼓や武道などのパフォーマンス、ゴジラ像や、アニメ「キャプテン翼」のパネル展示なども行われました。

 豊島屋本店が行ったワークショップは木本硝子(台東区)様とのコラボレーションで、「日本酒とグラスのペアリング」がテーマです。深い味わいが特長の「十右衛門」、キレの良さが評判の「屋守」、しっかりした香りの「江戸酒王子」という3つの東京の地酒を、それぞれの酒の特長を際立たせるように選んだ3つのグラスに注いで楽しんでいただきます。日本酒は、小さめの磁器や陶器で飲むことが多いと思いますが、グラスで飲むと味や香りが思いもよらぬ広がりを見せ、余韻を残すのです。

 4回行ったワークショップでは約50人が参加され、率直な感想を聞かせていただきました。フランスの方たちは自分の意見をはっきりとおっしゃるので、こちらの思惑とは反して、「自分はそうは思わない」という感想をいただくこともあって、それはそれで楽しいものです。
 また、「ライチのような香りがする」などと、ワインの風味や香りを多彩な形容詞で表現してきたフランス人ならではの感想もあり、あらためてパリの食文化の深さを感じました。なお、一番人気が高かったのは酸味と甘みがあり、香りの高い「金婚 純米吟醸 江戸酒王子」でした。日頃親しまれているワインに一番近い風味だったからかもしれません。このお酒は、フランスに輸出しております。

 会場のメゾン・デ・メタロは19世紀には楽器を作る会社だったという歴史的な建物です。東都のれん会からは、私共のほかに江戸扇子・団扇の「伊場仙」様が出展され、ステージでは「宮本卯之助商店」様のパフォーマンスに拍手が湧きおこっていました。
 パリも東京も、歴史や伝統を大切にしながら時代の先端を行く大都会として発展を続けている街です。異文化でありながら、似ているところも多い二つの都市の文化交流が、さらに広がっていけばと強く思いました。

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